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農業の悩み

異常気象と野菜の関係

異常気象と野菜の関係

近年の異常気象と農業への影響について

異常気象という言葉が出てきて久しくなりました。
今年は、台風や猛暑など今時?の気候に悩まされています。
特に今週末も影響が予想される台風は、前回にも引き続き鮮やかなカーブを描いて日本列島に沿って来るみたいです。
かつて高速スライダーで名を馳せた伊藤智仁(元ヤクルト)選手の球みたいです。←

さて、そんな気候に人間が悩まされるなら、他の動植物だって一緒です。
現にASOBI農園の作物もダメージをもらいましたから…
では野菜が採れなければどうなるか?

・農家が出荷できない
・スーパーに出回る量が限られる
・価格が上がる

といった具合でいい事がありません。

でも、気候の影響が出ると実際どのくらい価格が上下するものなのでしょうか。
今回は、そんな私の勝手な興味本位から
過去~現在のデータを使って見ていきたいと思います。

◆日本の気温は上がっているの?

まず、異常気象を語るために過去100年のうちに日本の平均気温がどのくらい変わっているのかを見てみましょう。


参照:気象庁HPより

上記の図から読み取ると、長期的には100年間の間に平均気温が1.19℃上昇しています。特に1990年以降では高温になる年が頻繁に出てくるようになりました。

ちなみに世界の平均気温の上昇率が0.73℃となっていますので、局地的に日本だけで見るとかなり上昇していることが分かります。
でも、1~2℃くらい大したことない!なんて感じる方もいるのはないでしょうか?

確かに1~2℃程度の気温変化はそこまで私たちの体に影響が及ぶものではないでしょう。

しかし、考えてみてください。

例えば東京の現在の平均気温が2℃上昇すると果たしてどこの地域と同じ気温になるのでしょうか?

答えは鹿児島県。

イメージしにくいので例を出すと、
東京の街路樹がけやきではなく、ヤシの木になってしまいます。

現在は日本各地で収穫されるお米ですら、数十年後には北海道でしか良質なものができなくなる可能性があります。

もちろんその他の農産物も然り。
農家にとっては死活問題でしかありませんよね。

影響はそれだけには止まりません。
植物の種類が変わるなら、動物や昆虫などの生態系全体にも影響が出てきます。
今まで日本にいなかった有害動物が現れたり、反対に今までいた種別が絶滅したり。
とにかく、僅かに思える気温変化かもしれませんが、地球環境にとっては深刻な問題と言えます。

◆2018年の平均気温は例年と比べると?

次に猛暑と豪雨の記憶が新しい今年2018年にフォーカスして見ます。
分かりやすいように特に暑かった7月のデータを見てみましょう。

                 

お分かりの通り、特に大都市圏では3℃程度平年よりも暑いという結果になりました。

また、猛暑日の日数もした図の通り、例年をはるかに越える日数が記録されました。
私の記憶でも、7月初めの西日本豪雨の直後から約3週間は雨が全く降らなかったような…

◆気温が高いとなぜいけないのか

お天道様が燦々と輝いて、植物が光合成し大きくなる…
教科書で習った植物の成長ですよね。
確かに、日照時間が短いと生育不足になって収穫量に影響が出ます。
冬場なんかは葉物野菜がこのために値段が高騰します。
では、高温が野菜にとっていけない理由を見ていきましょう。

【①高温障害】
高温障害は基本的に30℃以上の気温が続くことが原因で発生します。
代表的な症状として、尻腐れ、裂果、空洞果などが現れます。
とはいえ、原因は他にもあってすぐに判断できないのが悩ましいところ。
例えば、水のやりすぎで根腐れを起こして十分に水分を吸えないことで症状が出ることもあれば、肥料が多過ぎて症状が出ることもあります。
また、前日に雨が降り翌日が快晴の予報なら、急激な温度上昇によって野菜が萎びることになります。

【②土壌環境の悪化】
土の中には善玉菌と悪玉菌の二種類がいて、常に両者でせめぎ合うことで土中のバランスを保っています。
しかし、地表温度が40℃を越え出すと土の中にいる悪玉菌が優位に立ちます。
その結果何が起こるかというと、連作障害が出たり、糸菌類が発生し青枯れを引き起こしたりと、農家にとってまともな野菜が作れなくなります。
そして、寒暖差の周期が変わることでその悪玉菌たちが越冬し、翌年にも悪影響が出るという負のスパイラルに陥ります。
これだけを聞いても異常気象がために第一次産業が崩壊しかねないと容易に想像できます。

◆まとめ

なんとも陰気臭い内容となってしまいましたが、
いま一度この異常気象がこれ以上大きくならないよう生産者だけでなく消費者の側からも地球温暖化について考え直さなければいけないですね。

ASOBI農園 生産管理部長T

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