Farmers' Spot – 若手農家紹介・農業情報配信

農業の悩み

農業は戦いの連続

農業は戦いの連続

ASOBI農園も梅雨の時期となりました。
気温も上がり、夏本番が今か今かと迫ってきました。

草花や野菜をはじめとする植物にとっては恵みの時期、そして成長の時期と言えるでしょう。
私たちの万願寺とうがらしも隣と競うように元気に育っています。

しかし、その影でそんなフレッシュな緑を狙う不穏な姿もチラホラ…
気付いた時には葉っぱが無くなってる!なんてことも日常茶飯事。
農家にとっては困った時期こそこれからなんです。

畑にいると、人間の普段生活では全く気にならない存在も憎ったらしくなるんです。

ということで、今回はそんな困ったちゃん達(虫)にスポットを当ててみましょう!
※完全に筆者の独断で選んでいますので個人差があります※

エントリーNo,1 【ホオズキカメムシ】

既に今年も姿をお見せになられています。
その名の通り、ホオズキを食べるカメムシです。その他にもナス科やサツマイモといった幅広い美食家として知られています。
私たちの万願寺とうがらしももちろん大好物です。
ホオズキカメムシはガブガブと植物を貪るような野蛮な食事はしません。あくまでも紳士的に茎から吸汁しながら食事をします。
吸汁するだけならまだ良しとしますが、ホオズキカメムシの厄介なところは吸った箇所を枯らしてしまうことなんです。
農業1年目の昨年も随分とホオズキカメムシに被害を受けました。
ナス科の栽培農家さんに取っては天敵ではないでしょうか。

◆対策例
・畑に生えた雑草をこまめに刈り取る
・見つけ次第捕獲
・株自体の風通しをよくする
・葉裏にオレンジ色の卵を30個ほど産むので見つけ次第処理

エントリーNo,2 【アブラムシ類】

言わずと知れた厄介者。
アブラムシ自体も茎や葉から吸汁しますが、カメムシみたいに枯らしたりはしません。
しかし、アブラムシの厄介なのはモザイク病などの病原菌を媒介するところ。モザイク病は一度感染すると直す事ができない病気でとても恐れられています。
天敵のテントウムシがたくさんいればいいのですが、そうもいきませんのでとにかく絶対数を増やさない事が大切です。
農家さんの中にはコンパニオンプラントという虫除け用の植物を植える事で農薬を使用せずにアブラムシから野菜を守っておられるところもあります。

◆対策例
・木酢酢を吹きかける
・テープなどでペタペタ捕獲
・畝をシルバーマルチ等キラキラ太陽光を反射するものを設置する

エントリーNo,3 【コガネムシ(成虫・幼虫)】

エメラルドに輝く外観が美しいコガネムシ。
その見た目に騙されてはいけません。
コガネムシもまた茎や葉を食べてしまいます。葉っぱを穴だらけにするので植物は光合成ができずに成長不良に陥ります。
さらに幼虫は土の中で生活するのですが、幼虫もまた根っこを齧ってしまいます。

◆対策例
・耕運機で耕した際に幼虫を見つけたら捕獲
・土づくりの際に未熟な有機物(腐葉土)を多く使用しない
・成虫も見つけ次第捕獲
・雑草の定期的な刈り取り

エントリーNo,4 【ナメクジ】

梅雨の時期の代名詞。
日中は落ち葉や岩陰に身を潜め、夜になるとディナータイムが始まります。
個体が少ない場合は大した被害は出ませんが、梅雨になって大量発生の条件が整うと、瞬く間に葉っぱが無くなることもあります。
なので、畑のちょっとした日陰でもナメクジにとってはパラダイスになりうるので日頃から畑を整えておきましょう。

◆対策例
・日陰になりうる落ち葉やブロックを近くに置かない
・雑草を刈り取り風通しをよくする
・見つけ次第捕獲

エントリーNo,5 【蚊】

好きな人はいないはず。
野菜自体には被害は無いですが、とにかく作業の妨げになります。
摘果したり脇芽を取ったりとじっとする事が多い農作業において、人間は格好の餌食なのでしょう。
筆者もこれからの時期が少し憂鬱になります…

◆対策
・虫除けスプレー、蚊取り線香
・ボウフラが発生しそうな淀みや水溜まりを無くす

いかがだったでしょうか。
家庭菜園や週末農業をされている方ならどこか共感頂ける部分があったのではないかと思います。
先述しましたが、近年のトレンドとして減農薬やオーガニックといっった農薬に頼らない野菜が注目を集めています。
農薬を使えば作業は楽ですが、少なからず安全面を損なっている部分は否定できません。
野菜本来の強さとは、放っておいても虫と共生し育つ事ではないでしょうか。
そんな野菜のポテンシャルを引き出していくのも農家の仕事だと考え、独自の技術やこだわりで野菜を生産しておられる農家さんを今後はアグリネットから紹介していきます!

ASOBI農園 生産管理部長T

RELATED POSTS

関連記事